腱板断裂(rotator cuffの損傷)
腱板は回旋筋腱板ともいわれ、前方から肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の四つの腱からなり、各々の腱が一体化して上腕骨頭をおおってる。肩関節の外転、外旋、内旋の主動作筋は三角筋や大胸筋などの表層の筋であり、腱板の主な作用は上腕骨頭を関節窩に押し付け、安定性をもたらすことにある。この四つの筋は単独または複数で損傷する。とくに棘上筋は解剖学的に損傷を受けやすく、上肢下垂安静時にもストレスを受け、さらに長い間不調和な肩外転運動(労働)を繰り返すと、肩峰下、烏口肩峰靭帯などと触れ合い摩擦して機械的、無菌的炎症による損傷を作り出す(腱板は加齢による退行性変性の進行が早い)
分類
(1)完全断裂
(2)不全断裂(滑液包面断裂・腱内断裂・関節面断裂)
発生機序
腱板断裂は1回の外力で発生するものと、加齢などによる変性に加え、腱板脆弱部に繰り返しの張力がかかり、変性が進行し断裂にいたるものがある。断裂部位は大結節から1.5cm近位部に多く、この部位は血行に乏しい。また投球障害などのスポーツ障害として不安定性や拘縮をきたすものに棘上筋腱と肩甲下筋腱の間隙、いわゆる腱板疎部に損傷をきたすものもある。
(1)肩部の打撲などによる直達外力により発生する。
(2)手や肘を衝いて、その際、上腕骨大結節が肩峰に衝突するなどの介達外力により発生する。
(3)投球、投てきによる使いすぎover useにより発生する。
(4)中高年では1回の外力でなく、使いすぎによって擦り切れるように損傷を起こす。
(5)その他まれにわずかな外力、たとえば電車の吊り革をもっているときの急停車などにより発生する。
症状
1)疼痛
「受傷時痛」
受傷時に鋭い疼痛を感じ、数時間で軽快するが、その後さらに激痛を発するものが多い。
「運動時痛」
外転60~120°の間に疼痛を生じることが多い。また、肩関節90°屈曲位で上腕を内外旋することにより疼痛が生じることもある。
「圧痛」
大結節、三角筋前部線維・中部線維に圧痛を認める。
「夜間痛」
就寝中痛みで目が覚めることが多い
2)陥凹触知
完全断裂では圧痛部に一致して陥凹を触知するものがある。
3)機能障害
屈曲、外転運動に制限がみられる。また、肩関節の外転位が保持できない。
4)筋力低下・脱力感
小断裂のものでは筋力低下を認めないものもあるが、筋委縮の進行に伴い筋力低下も進行する。また、上肢の脱力感を訴えるものがある。
5)筋委縮
陳旧性のものでは筋委縮がみられる。
検査
(1)有痛弧徴候 painful arc sign
(2)クレピタス crepitus
(3)インピンジメント徴候 impingement sign(Neer)
(4)ドロップアームサイン drop arm sign
加古川市 真 接骨院では患者様一人一人問診にじっくり時間を取り、主訴・患者様の希望・懸念・既往歴・生活歴等を把握してから視診・触診・計測評価・動的評価・神経学的評価・各種徒手検査を行い患者様が訴える不調の原因を見つけ出し、患者様一人一人に合った手技・RICE処置・ストレッチ・テーピングを施し不調の原因を改善、健康な身体へと導いていきます。